動画マーケティングの一環として動画制作を外注する場合、発注者は動画業界に詳しくないことが多いため「どのような工程で動画制作が進むのか把握できていない」「制作体制において何を担当したらいいかわからない」と感じている方も多いでしょう。

動画制作は発注以外にも、制作会社のプロジェクトチームとの連携が必要不可欠です。

この記事では、動画制作全体の流れや、発注者・受注者が担当する制作体制について解説します。制作会社へ依頼する前に動画制作について知っておきたい方は参考にしてみてください。

動画制作の流れ

動画制作の発注を検討している方へ向けて、はじめに制作全体の流れを大まかに解説します。

動画制作は発注側と受注側がそれぞれ担当するステップ、お互いに担当するステップがあります。「制作会社に発注したからあとは完成を待つだけ」では決してありません。

動画制作をスムーズに進めるためにも最低限の流れは把握しておきましょう。

動画制作を依頼すると決めたら、最初に行うのが発注者と受注者のヒアリングです。動画の目的や訴求ポイント、ターゲット層などをヒアリングのなかでブラッシュアップしていきます。

動画のイメージを具体的にしてどんな動画を制作すればいいかを鮮明にしていくことが目的です。

制作会社がヒアリングした内容をもとに絵コンテや企画書などの形でクライアントへ提案します。

提案と一緒に見積もりを出すことが多いため、動画の完成イメージや全体の予算感をしっかりと確認したうえで発注するかどうかを判断しましょう。

提案や見積もりの段階では費用がかからない場合がほとんどなので、できるだけ複数の制作会社に提案・見積もりをしてもらい比較検討するのが望ましいです。

提案内容や見積もりを確認し、問題がなければ正式に動画制作を発注します。最終確認で確認しておくべきポイントは、制作した動画の使用範囲や著作権などの権利関係です。

あとでトラブルになることがないよう、発注前に取り決めを行うと良いでしょう。

制作会社への発注が終わると、提案内容をもとに企画立案が行われます。

絵コンテや企画書をさらに細分化し、動画イメージを鮮明にしていきます。撮影段階に入ってから変更があると、コストがかさんだり納期が大幅に遅れたりといったデメリットがありますので、綿密な計画を立てる必要があるでしょう。

動画のシナリオや絵コンテが完成したら、映像の撮影に入ります。

ロケハンやスケジュールの調整を制作会社で行い、撮影は発注者が立ち会いのもとで行われるケースが多いです。

動画制作の素材を撮影し終えたら、編集作業が行われます。「カット」「テロップ入れ」「CG合成」など、編集の内容はさまざまです。

一般的には動画部分の編集を終えた時点で発注者による確認を済ませ、問題なければ「ナレーション」「BGM・SE」といった音声部分の編集に入ることが多いでしょう。

動画制作が完了し、発注者であるクライアントのチェックを終えて納品となります。

納品する際のフォーマットは動画の用途によって変わることもあるため、契約時に決めておくと良いでしょう。

動画の公開や効果測定といったマーケティングまで担当してくれる制作会社もありますが、基本的な動画制作の部分に関しては納品された時点で終了となります。

発注側の制作体制

発注者の制作体制としては、自社が作ってほしい動画のイメージや制作に至った背景などの要望をできるだけ正確に伝えることを心がけましょう。

動画制作を依頼する側は制作の実作業に関わることがほとんどないため、専門的な知識や技術を持っている必要はありません。

動画制作のプロを前に発言しづらいと感じるかもしれませんが、お客さまである発注者の意見は尊重されるので、良い動画を制作するためにも臆せず要望を伝えましょう。

受注側の制作体制

動画制作の依頼を受注する立場の制作会社では、発注者であるクライアントの要望を叶えるために、受注側の制作体制が重要になってきます。

制作会社に所属しているプロデューサーがプロジェクトチームの筆頭に立ち、デザイナーやフォトグラファーなどのディレクションを行うことが多いでしょう。

発注者においては受注側の制作体制の全体像を把握したうえで、最終的な決定権を持つ責任者と連絡を取ることが大切です。

動画制作を依頼する際の注意点

動画制作を制作会社へ依頼する際に、注意しておきたい点がいくつかあります。良い動画を完成させ、マーケティングを成功させるためにも大切なポイントなので、しっかりと頭のなかに入れておきましょう。

ここからは、動画制作の依頼でとくに重要な注意点の「コミュニケーションの食い違い」「制作スケジュールの調整」「制作工程における責任の所在」を解説します。

動画制作は企画・撮影・編集と複数のプロセスを踏んでいきます。そのため、最初の提案時ですべての要素を完璧に打ち合わせることが難しく、多少の軌道修正が発生することは珍しくありません。

そんなときに発注者と受注者の間でコミュニケーションの食い違いが発生すると、わずかなズレでも、のちのプロセスを踏むにつれ影響が大きくなり、動画制作の進行が遅れたりコストが増加したりといった事態になりかねます。

コミュニケーションの食い違いを防ぐためには、発注者と受注者が連絡を取り合い、意見の擦り合わせを定期的に行うことが大切でしょう。

動画制作を進めていくなかで試行錯誤を繰り返し、提案の追加や修正作業が発生することによって制作スケジュール通りに進まないことがあります。

ほかにも撮影を屋外で行う場合、天候に左右されるといったことも多く、リスケを繰り返すうちにスケジュールが押してしまうなんてこともないとは言い切れません。

動画制作はヒアリング・提案・企画・撮影・編集と工程が多いため、制作スケジュールの調整が発生することを前提に考え、余裕を持った発注をするようにしましょう。

動画制作においてはっきり決めておくべき注意点は「制作工程における責任の所在」です。依頼する制作会社によっては、制作工程で下請けの制作会社や個人のクリエイターに業務を委託することがあります。

下請けから制作物が上がってきたら制作会社によるチェックが行われますが、発注者がその都度上がってきた制作物を確認することは珍しいです。

そのため、発注者・制作会社・下請けの間で認識のズレが発生しても気が付かないことが多く、初稿の納品段階になってから「想定していたものと違う」といった事態になることも。

しかし、修正を依頼しても下請けの業務は完了していて対応できない、もしくは追加料金がかかるなど、制作の責任を取ってもらえずトラブルの原因を生む可能性があります。

お互いに気持ちよく制作を進めるためにも、動画制作における工程の責任者が誰なのかをはっきりさせておくと良いでしょう。

まとめ

動画制作はヒアリング・提案・企画・撮影・編集・納品と、動画の完成に至るまでさまざまなプロセスを踏んでいくことになります。

制作途中で修正が必要になったり追加要素が出てきたりと、契約時とは異なる部分が発生することもあるでしょう。そんなときでもプロジェクトチームと連携をしっかりと取っていれば、不要なトラブルを避けることができます。

制作会社のプロジェクトチームにすべて任せるのではなく、発注者自身も一員として動画制作に携わる姿勢が大切といえるでしょう。

(画像はpixabayより)