自動車業界は、市場の変化によって激動の時代を迎えています。そんな時代で自社のクルマを選び、購入してもらうためには、動画広告によるプロモーションが効果的です。 この記事では、自動車メーカーが動画広告を利用して、成功した事例をご紹介します。

自動車業界が抱える課題

日本では、首都圏において公共の交通機関が発達したため、若年層を中心に自動車に興味を持たないひとが増えました。俗にいう「クルマ離れ」ですが、クルマの所有・維持にかかる費用の高さと、購買プロセスの長さも原因のひとつと考えられています。 消費者の生活レベルに合わせて無駄を省いていき、経済性と利便性ばかり考えて作られたクルマは、どのメーカーでも大差のない似たり寄ったりな印象を受けてしまいます。そんななかで自社の商品あるいはサービスを選んでもらうには、広告の配信が課題となってくるでしょう。 また、スマートフォンが普及した現代でも、PCのみ対応しているWebサイトが多い印象を受けます。自動車業界も例外ではありません。若年層のほとんどがスマートフォンを利用して調べ物をする以上、スマートフォンに対応したレスポンシブなWebサイトを作っていく必要があるでしょう。 自社のWebサイトに限らず、YouTubeやTwitter・インスタでお馴染みのInstagram・さらにはFacebook(フェイスブック)といったSNSは、情報収集の場として頻繁に利用されます。企業の公式アカウントから流入してくる顧客も多いため、宣伝の場として運営に力を入れていくことが重要です。

ユーザーの生活に寄り添う必要がある

消費者に自社の商品やサービスを知ってもらい、興味を持たせるには、消費者の生活に寄り添ったアピールが必要です。 2019年には、テレビよりもインターネットを見る時間の方が多いため、テレビ広告よりもインターネット動画広告の方が、閲覧数は増加する傾向にあるでしょう。 広告の内容も一昔前とは打って変わり、広告感のない広告が好まれるようになりました。ユーザーの理想の生活をイメージし、いかに自然な形で商品やサービスをPRできるかが分かれ道となるでしょう。 特にスマートフォンは縦に長い形状をしているため、デバイスに合わせて縦型の動画広告を制作することが望ましいです。画面の占有率が高く、ユーザーの興味や関心をグッと引き寄せられます。 企業側のコスト面を考えても、多くのひとに届けるより少しでも興味や関心のあるユーザーにターゲットを絞って、局所的な広告配信を行った方が費用を抑えられます。削減したコストで自社のWebサイトやSNSのコンテンツを充実させるといった運用体制を整えればより高い効果が見込めるでしょう。

自動車企業が行ったキャンペーン

自動車業界の課題を鑑みて行うべきキャンペーンは、主に若年層へ対する「クルマへの興味を持ってもらう」プロモーションです。 どんなに素晴らしい商品やサービスでも、消費者の目に留まらなければ意味がありません。テレビよりインターネットの視聴時間が長いのであれば、動画広告を配信するプラットフォームを考え直す必要が出てきます。 経済的に余裕がある自動車メーカーであれば、テレビとインターネットで同時にプロモーションすれば効果が上乗せされるでしょう。 インターネット広告は大きく分けて静止画と動画の2種類がありますが、動きのあるクルマは動画との相性が非常に良いです。 さらにユーザー層や視聴時間、クリックした被リンクといったリアクションをデータ化することが可能。抽出したデータを活かしてPDCAサイクルを回すことで、洗練された動画広告へ進化していく効果が期待できます。 若年層の注目を集めるのであれば、芸能人やインフルエンサーといったタレントを起用したプロモーションも効果的です。話題性はもちろん、タレント見たさに動画広告を視聴してもらえる可能性が高いので、インプレッションやコンバージョンにつながるでしょう。 そして動画広告で興味を持ったユーザーが訪れるのは、自動車メーカーのポータルサイトです。ここでさらに消費者の生活へ寄り添い、クルマの必要性や所有することへのイメージを持たせることが重要になってきます。 自動車メーカーのホンダは、「Honda GOLF」というゴルフサイトを運営しています。一見すると自動車に関係がないような印象です。 しかし、サイトではゴルフバッグの上手な積み方を検証するページを設けて車種や人数別の検証および解説を行い、関連ページへのリンクでホンダ公式サイトへの誘導を行っているのです。 ただクルマの魅力を紹介するだけでなく、生活に寄り添ってイメージを膨らませることで、潜在意識へ向けてクルマの必要性や魅力を訴えかけることが可能になるでしょう。

動画広告を活用した成功事例

自動車メーカーが消費者にクルマの魅力を伝え、顧客へ迎え入れるには、さまざまな課題があります。 最後に動画広告を活用して、サイト訪問者や販売数のアップに成功した事例をご紹介していきます。今回ご紹介するのは「日産自動車株式会社」「トヨタ自動車株式会社」「本田技研工業株式会社」の3社です。

日産自動車株式会社

日産自動車株式会社は、フルモデルチェンジした「リーフ」のプロモーションを行いました。自動車と動画広告の相性の良さに着目して、テレビ広告とインターネット動画広告を併用。 前モデルとはまったく違う、新しいリーフということを印象づけるために、インパクトのある宣伝に力を入れます。「ぶっちぎれ 日産」のキャッチコピーとともに、電動化技術と自動運転技術がひとつになったことを動画広告で伝えました。 本来の目的であるブランド認知に加えて、画面占有率の高さやクリック率にも重点を置くために出稿した場所が、Yahoo! JAPANのトップゲートビジョンです。大手検索エンジンYahoo!のトップページに大きく表示され、潜在層から顕在層まで幅広くアピールする効果があります。 クリック率に重点を置いた理由は、Webサイト訪問者を増やすこと。いわゆる顧客見込みを獲得することで、新型リーフ以降のプロモーションに活用できます。

トヨタ自動車株式会社

トヨタ自動車株式会社は、「NOAH(ノア)」のモデルチェンジに際し、人気女優の新垣結衣がユーザーの妻として出演しました。 クルマに興味関心の高い男性をターゲットに制作された動画広告は、ユーザーの主観をスマートフォンで撮影したアングル。新垣結衣がこちらをじっと見つめながら、「私をどこかへ連れていきなさい」「返事は?」と話しかけてくるアングルは、まるでその場にいるかのような疑似体験を生みだします。 SNSでは「#金曜日の新垣さん」のハッシュタグと共に投稿が拡散。全9本に渡る動画広告は、計2,000万回再生と大きな話題になりました。 毎週金曜日に配信される動画広告を見るために、ユーザーはトヨタ自動車株式会社のアカウントをフォロー。その結果、プロモーション投稿に対するインプレッションの獲得にもつながり、潜在的な顧客層を引き出すことに成功しました。

本田技研工業株式会社

本田技研工業株式会社は、近年のスマートフォンの普及にともない、動画配信方法を見直しました。従来ではPC用とフィーチャーフォン用で別々に動画を制作していたため、そこへスマートフォン用の動画も追加するとなると、効率が悪くなってしまいます。 そんな運営状況を見直すために導入したのが、ユーザーが使っているさまざまなフォーマットやデバイスに合わせて動画を最適化して配信できる「Brightcove Video Cloud」。 「Brightcove Video Cloud」のサービスを利用してホンダWebサイトの動画ページをリニューアルしたところ、動画配信の効率化やコスト削減を実現しました。さらにデバイスに対応して見やすくなったため、PV数の増加にも成功。スマートフォンでの閲覧率は、全体の40%まで上昇しています。

まとめ:動画広告で消費者へ寄り添う

自動車メーカー間での競争とは別に、ユーザーのクルマ離れが課題となっている自動車業界。公共交通機関の発展によって、ますます存在が危ぶまれていく可能性は否定できません。 しかしプロモーション方法によっては、新規ユーザー層の獲得や既存顧客のリピートなど、期待できる部分も残っています。自動車のような動く商材は、動画との相性も良いため、動画広告は効果的なプロモーションが期待できるでしょう。 (画像はpxhereより)