動画制作時のマーケティングにおいて頻繁に耳にする言葉「ペルソナ」。ペルソナを設定した方が企業にとってもユーザーにとっても良いといった類の話はよく聞きますよね。 しかし、具体的になぜ・どうして設定した方が良いのかという点については、知らない方も多いのではないでしょうか。 この記事では、「ペルソナとは何なのか」「どうして設定する必要があるのか」といった基礎的なことから、ペルソナの設定方法やポイントについて解説します。

ペルソナとは

まずは「ペルソナ」という言葉についてです。ペルソナは演劇における仮面の意味を表しています。仮面は素顔を見せないことから、表面上で作り上げた人格とも捉えられるでしょう。 マーケティングにおいては、自社商品やサービスを利用する仮定のユーザーを指して使います。 まだ発売されていない商品や始まっていないサービスにおける実際のユーザーを知ることは難しいです。そのため、仮面を付けたユーザー(仮のユーザー)を設定することによって、ユーザーありきでマーケティングを進行していきます。

「ペルソナ」と「ターゲット」の違い

マーケティングでは「ターゲット」という言葉もよく耳にしますが、ペルソナとターゲットの違いは設定するユーザーの具体性です。 ターゲットは「20代」「女性」「東京都在住」といった抽象的な要素が多いです。しかし、ペルソナは「24歳」「女性」「東京都千代田区丸の内在住」「定年間近の父・専業主婦の母・大学生の弟と4人で実家暮らし」と非常に具体的な要素が求められます。 はっきりとした線引きこそありませんが、ターゲットよりペルソナの方が情報量の密度において高いと考えると良いでしょう。

ペルソナ設定によるメリット

マーケティングでは口を酸っぱくして「ペルソナを設定しよう」「ペルソナの設定が大事」といわれますが、ただ作れば良いというわけではありません。ペルソナを設定することによって、どんなメリットがあるのかを知っておく必要があります。 ペルソナのメリットは大きく分けると、「ユーザー目線」「担当者の共通認識」が挙げられます。具体的に見てみましょう。

より深い「ユーザー目線」で見ることができる

「20代女性」といっても幅が広いため、人によって流行りに飛びつくタイプや、俯瞰的に追うタイプなどさまざまです。 自社商品やサービスは、できるだけ広い範囲の人に訴求できるのがベスト。しかし、八方美人で誰にでも当てはまるようなペルソナを設定すると、かえって誰にも刺さらないありきたりなコンテンツになります。 ペルソナは職業や性格について掘り下げて一つの仮定した人格を作り上げることによって、「ユーザーがどう思うか?」というユーザー目線をよりリアルな視点に近づけることができます。

担当者が持っている認識を統一

ペルソナには人物像の明確な基準を設定することで、担当者同士の認識のズレをなくす狙いがあります。 化粧品を開発・販売する会社が「20代の女性」をペルソナとしていた場合、想定しているターゲットは「働いているのか専業主婦なのか」「金銭的余裕があるのかないのか」「美容意識が高いのか低いのか」といった要素において人物像の認識のズレが発生します。 そんな事態を避けるために、ペルソナの設定が必要になるのです。商品の設計やサービスの方向性に迷いが生じた場合も、ペルソナを共通認識していれば担当者全員の判断軸として活用することができます。

ペルソナを設定するための3STEP

続いては、ペルソナを設定するために必要な手順について3つのSTEPで解説します。 ペルソナ設定を徹底することで、企業が提供する商品やサービスのブランディングにも役立ちますのでやっておくことをおすすめします。

STEP1.ペルソナはターゲットを基準にする

ペルソナ設定の前提として、基準となるユーザー像は「ターゲット」を基準にします。 冒頭でも解説したように、ペルソナはターゲットをさらに深く掘り下げたものです。そのため、最初のターゲットが定まっていないとペルソナの設定は難しくなります。 ペルソナやターゲットは、いわば方向性のようなものなので、具体性を追求する前にしっかりと決めるようにしましょう。

STEP2.必要な情報を調査して集める

ペルソナの基準ができたら、マーケティングの観点から調査し、設定を掘り下げていきます。ここで大切なのは、定量調査と定性調査です。 定量調査は市場や世論などのデータの数値化を想定した上で設計されます。年齢・性別・年収などのデータを数値で表します。 定性調査は数値にできないデータを目的として行う調査です。ペルソナの基となるターゲットの言葉や行動、印象などが挙げられます。 例えばターゲットを「20代の女性」で仮定した場合、定量調査で年齢や性別、年収といった数値化できる情報を収集。定性調査で悩んでいること、興味があることなどの数値化できない情報を収集することになります。 情報収集は街頭でのインタビューやSNSでのアンケートなど、ターゲットが集まりそうな場所で行うと良いでしょう。

STEP3.ペルソナの組み立てを行う

STEP2で十分な情報が得られたら、ペルソナを組み立てていきます。 氏名・年齢・性別・職業・年収・住所・家族構成・ライフスタイル・最近の悩みなど、空想のキャラクターを作るイメージでどんどん掘り下げましょう。 情報収集の段階でどれだけ正確な情報を精査できたかによってペルソナの完成度も上がるので、もし「情報が不足している」と感じた場合は追加で定量調査や定性調査を行います。 動画制作の場合は、出演させるモデルを作る感覚でペルソナを組み立てるとイメージがしやすいでしょう。

ペルソナ設定時のポイント

最後にペルソナを設定する際に注意しておきたいポイントを解説します。 ペルソナは一度作って終わりではないため、ポイントを鑑みながら定期的に見直しを図るようにしましょう。

実在しそうな人物に近づける

ペルソナはあくまでも架空のユーザー像ですが、実在しているレベルまで落とし込むことが望ましいです。 ペルソナのリアルさを追求すればするほどユーザーとマッチする可能性も上がり、訴求力がアップします。ただし、ペルソナとユーザーをマッチさせようとし過ぎるあまり、実在する人物をペルソナに設定することはやめましょう。

担当者の主観的な情報は入れない

ペルソナの設定で陥りがちなミスは、担当者の主観が入ることです。調査に基づいた情報だけでなく担当者のイメージや想像など主観的な要素が入ると、ペルソナとユーザーの間にズレが生じます。 「20代の女性だから、たぶん消費行動に積極的だろう」と勝手に決めつけるのはご法度。 複数の調査で得たターゲットの年収や興味・関心などから事実に基づいた情報のみでペルソナを設定するようにしましょう。

複数人でブレインストーミングを行う

一人でペルソナを設定すると、どうしても情報の精査に偏りが出てくるもの。そんなときは、複数人でペルソナ設定を行うブレインストーミングがおすすめです。 収集したデータを基に集団で意見を出し合うことで、多角的な視点からペルソナを設定することができます。 ただし、意見や発想が先走るあまり「企業にとっての理想の人物」にならないように注意が必要です。

まとめ

ペルソナとは何なのか、そして設定のやり方やポイントについて解説しました。ペルソナの設定によってユーザー目線から自社商品やサービスを見ることで、より良い価値を生み出すための手助けとなります。 ペルソナを設定・活用して世間が求めている欲求や需要を捉え、満たすようなコンテンツを作り出しましょう。 (画像はpixabayより)